総務省の「クラウド振興作戦」は日本のIT産業飛躍の救世主か

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 この「クラウド振興作戦」は、どうもハードの集中作戦というか、データセンターの集中作戦のように感じる。
 例えば、お役所で使っているコンピュータを集中させて1台のコンピュータで処理させる。コンピュータ設備の共同利用による経費節減策といった感じだろうか。

 私は、クラウドコンピューティングの本質はサービスの集中化だと思っている。
 もちろん、現在の通信インフラ、ストレージ、コンピュータの性能があれば、設備を集中させて効率よく処理できるシステムを構築できるかも知れない。
 しかし、クラウドコンピューティングでの設備の集中は、手段というか、結果であって、目的ではないと思っている。
 そして、この効果の前提となるサービスの集中化は、各省あるいは各自治体の仕事なり作業の仕方を標準化できるかどうかにかかっていると思う。
 加えて、今回の振興策が、国内IT企業の振興にどう繋がるのか、その道筋が見えない。箱物的で、お金をばら撒く一時的振興策に終わるような気がする。実際のところはどうなんだうろか。

 もし、この振興策が、単に設備の集中化に終わるのであれば、提供するサービスで利用者の囲い込みを考えているであろう、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの敵にはなり得ないだろう。そんな気がしてならない。