グーグル、「Google Apps Script」を正式公開

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20398637,00.htm

グーグルが企業用に提供し始めた一連のサービスから、時代の流れを垣間見ることができる。

いままで、グーグルは、検索サイトで培ったデータベース関連技術を核に、Gmailに代表されるグループウェアに必要なサービスや、仕事で必要になるドキュメト、スプレッドシート、プレゼンテーションツールなどを、Web上で無償で提供してきた。

グーグルは、以前からこれらサービスを企業毎に使えるようにした「Google Apps for Your Domain」を提供していたが、ここにきて、「Google Apps Script」を提供した。「Google Apps Script」で提供されるAppsと「Google Apps for Your Domain」を使えば、企業毎の仕事の流れ(ワークフロー)をシステム化することが可能になるだろう。

各企業には多かれ少なかれ独自の仕事の流れ(ワークフロー)がある。現在、多くの企業は、これら仕事の流れを、コンピュータメーカなどが提供するグループウェア関連パッケージなどを使ってシステムを構築している。そして、それらシステムを稼働させるために、コンビュータを始めとした設備を、各企業ごとで用意して運用している。ただ、ここ最近は、特に中小の企業に対して、サース(SaaS)に代表されるように、コンピュータメーカがその設備を用意して、各企業は提供されるサービスにお金を払うといった利用方法が注目されている。

今回をはじめとしたグーグルの一連の動きは、これらコンピュータメーカが提供するサービスすらも飲み込んでしまうのではないかと思わせる。

各企業は、グーグルが提供する一連のサービスを利用すれば、企業独自にコンピュータやネットワーク設備を準備する必要はない。グーグルが提供するであろうブラウザを中心としたOSとパソコンがあればよいことになる。いままで、サーバなどの大掛りな設備を導入できなかった中小企業も、インターネットに接続するパソコンがあれば、Gmailなど日頃使い慣れたインターフェースで独自のシステムを構築することができることになる。

マイクロソフトは、コンピュータをハード中心の世界から、ソフト(OS)中心の世界にすることで、世の中をリードしてきた。いまグーグルは、ソフト(OS)中心の世界を、サービス中心の世界にすることで、マイクロソフトに取って代わるのではと映る。時代の流れの転換点に差し掛かっているように感じる。

ただ、心配なのは、グーグルが、世の中全てのサービスを牛耳ってしまうことにならないかだ。かくゆう私も、グーグルが提供するサービスにどっぷりと浸かり始めている。不安がよぎる。